富士山や自然豊かなリゾート地のイメージが強い山梨県ですが、実はアートファンにとっても魅力あふれるエリア
県内には個性的な美術館が数多くあり、ジャン=フランソワ・ミレーや名取春仙など、名作に触れられるスポットも充実しています。
常設展はもちろん、期間限定の企画展やイベントも多く、美術館めぐりを目的とした観光にもおすすめです。
この記事では、山梨でぜひ訪れたい、ミレーや名取春仙の作品を楽しめる注目の美術館を厳選して紹介します。芸術の秋にぴったりなアートスポットを、ぜひチェックしてみてください!
【山梨県立美術館】ミレー「種をまく人」を収蔵する“ミレー美術館”

山梨県で芸術鑑賞を楽しむなら、甲府駅からバスで約13分、「芸術の森公園」内に位置する【山梨県立美術館】がおすすめです。
自然豊かな環境に囲まれたこの美術館は、山梨県最大級のスケールを誇り、約1万点以上のアート作品を所蔵。館内だけでなく、広々とした庭園や茶室もあり、散策しながらアートと自然を同時に楽しめる人気スポットです。
ミレーの作品を所蔵する貴重な美術館
この美術館の最大の見どころは、なんといってもフランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーの代表作「種をまく人」。
1850年に描かれたこの作品は、農民の力強い姿を描いたことで知られ、ミレーの転機ともなった重要な1枚です。
実はこの「種をまく人」は、世界に2点しか存在しない貴重な作品。1点はアメリカ・ボストン美術館に所蔵されていますが、もう1点はここ山梨県立美術館に展示されています。

その背景には、山梨の農業文化と自然が、作品の世界観と深くリンクしていたこともあるそうです。
このことから、地元では親しみを込めて「ミレー美術館」と呼ばれています。館内にはミレーの作品が約70点も収蔵されており、日本ではここでしか見られない貴重な作品群が並びます。
企画展・常設展示も見どころ満載

山梨県立美術館では、ミレー作品以外にも見逃せない展示が充実しています。
常設展では、山梨ゆかりの芸術家・木村武山や、日本の伝統美を感じられる琳派の作品などを紹介。
また、年に数回開催される企画展では、モネ、ルノワール、ピカソといった世界的巨匠の名画も登場し、芸術ファンに高く評価されています。
併設のミュージアムショップでは、山梨の伝統工芸「甲州印伝」とミレーの「種をまく人」がコラボした限定グッズが大人気!「種をまく人Tシャツ」やポストカードなど、ここでしか買えないアートなお土産も豊富にそろっています。
【お得なチケット情報】
来館日の前日・当日に、山梨県内のホテルや旅館等の宿泊施設を利用した方は、団体料金で利用可能!
宿泊施設の領収書を窓口で掲示してください。
・コレクション展:通常520円→420円
・特別展:通常1000円→840円(高校生以下は無料)
【山梨県立美術館】
住所 | 〒400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27 |
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電話番号 | 055-228-3322 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 月曜日(祝日の場合はその翌日) 祝日の翌日(日曜日の場合は開館) 年末年始、その他臨時開館・休館あり |
HP | https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/ |
【南アルプス市立美術館】挿絵の革命児・名取春仙の作品を多数収蔵

山梨県南アルプス市に位置する「南アルプス市立美術館」は、地元出身の画家「名取春仙」の作品を中心に展示する、文化と芸術の魅力が詰まった美術館です。
名取春仙は、1886年に南アルプス市小笠原で生まれた挿絵画家・浮世絵師で、日本画と洋画の技法を融合させた独自の作風が特徴。小説の挿絵や装幀、浮世絵の世界でも革新的なスタイルを確立した人物として知られています。
名取春仙は、夏目漱石、島崎藤村、石川啄木といった日本文学の巨匠たちの作品に挿絵や装幀を提供し、「挿絵の革命」とまで称賛された画家です。
彼の作品は、物語の世界観を視覚的に表現するだけでなく、小説家の意図を的確に汲み取った構図力と画面構成で高い評価を受けています。
まさに、“読む”と“観る”が融合するアートの世界を堪能できるのが、南アルプス市立美術館の魅力です。
さらに、名取春仙は近代浮世絵の分野でもその名を残しています。特に斬新な構図とデザイン性に優れた「役者絵」は、今もなおファンが多く、日本の伝統美術に現代的なエッセンスを加えた作品として高い評価を受けています。
日本文学や浮世絵、挿絵・装丁デザインに興味がある方にとって、南アルプス市立美術館はまさに見逃せないスポット!館内では名取春仙の貴重な原画や挿絵、浮世絵作品を多数常設・企画展示しており、彼の世界観をじっくりと体感できます。

【「挿絵」や「装幀口絵」って何?】
挿絵とは、雑誌や新聞などのなかに入れられる絵のこと。記事の内容に関連するイラストで、読者の理解を助ける役割があります。
また、装幀口絵とは、装幀が本の表紙やカバー、口絵が本を開いたときにあるイラストや写真のことを言います。どちらも、本の世界観や登場人物をイメージしやすくする働きがあります。
【南アルプス市立美術館】
住所 | 〒400-0306 山梨県南アルプス市小笠原1281 |
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電話番号 | 055-282-6600 |
営業時間 | 9:30~17:00 |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌日に振替)臨時休館あり。HP要確認。 |
HP | https://www.minamialps-museum.jp/ |
【紬山荘】芸術性あふれる一日一組限定のオーベルジュで贅沢ステイ

山梨県北部、八ヶ岳エリアの自然に囲まれた隠れ家的な宿「紬山荘」は、美術館巡りの旅にぴったりの芸術的センスが光るオーベルジュ。アートと食、そして静けさを求める大人の旅におすすめです。
紬山荘の魅力は、地元・八ヶ岳の旬の食材を使った唯一無二の料理体験。発酵・熟成・燻製といった日本の伝統技法を活かしたモダンフレンチと手打ち蕎麦の融合コースは、ここでしか味わえない逸品!
美食を追求する方、料理もアートとして楽しみたい方にとって理想のオーベルジュです。
紬山荘は、1日1組限定・最大6名まで宿泊可能という贅沢なスタイル。都心から離れた静かなロケーションと、洗練された客室空間が、まるでアートギャラリーのような非日常を演出してくれます。
周辺には八ヶ岳高原や清里など、美術館やギャラリーが点在するエリア。
芸術に触れる旅の宿泊先として「紬山荘」は最適です。静かに流れる時間とともに、心と五感を癒す特別な滞在を楽しんでみてはいかがでしょうか?
【紬山荘】
住所 | 〒408-0018 山梨県北杜市高根町村山西割 3113-2 |
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電話番号 | 0551-47-6690 |
HP | http://www.tsumugisansou.jp/ |
まとめ
今回は、山梨県で訪れるべきおすすめ美術館を2館紹介しました。
アートや美術館巡りに興味がある方、山梨で芸術に触れる旅を楽しみたい方は、ぜひ今回の内容を参考に、次回の旅行先に加えてみてください。

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